マシュマロを選ぶかどうかで、未来が見えてくる

マシュマロテストを心理学から見てみると

お皿の上にマシュマロを1つ置いて、3歳から5歳の幼児にこう言います。「このマシュマロはあげるよ。でも、私が帰ってくるまで15分ほど食べるのを待てたらマシュマロをもう1つあげる。いない間に食べちゃったら2つ目はなしだからね」

さて、子どもたちはマシュマロを食べることを我慢して、2つのマシュマロを手に入れることが出来るのか。待てずに1つ目のマシュマロを食べてしまうのか。

アメリカではテストの結果、参加した約1/3の子どもたちが2個目のマシュマロを食べることができました。さらにその後10年間の追跡調査で、食べることを待てた子どもたちは、 社会的に成功していたことが明らかになったのです。

マシュマロを我慢することがどうして将来に関係するのでしょうか。そんな、社会に生きる心理学を広く深く学べる場所が神戸学院大学に誕生します。

マシュマロテストで大切なことは、待てたかどうかで子どもたちを「仕分け」することではありません。目の前のことにどう対処したかによって、子どもたちの心のクセを理解し、学業や仕事、対人関係で起こるであろう課題に対処するためのヒントを得ることが大切なのです。心理学的にまとめると次のような文章になります。

『食べたいという欲求や、それを抑えることにともなう苛立ちや不満。そんな【感情】を理解し、対処を考えるという【認知】過程は、【学校】での勉強や【組織】での仕事に影響を及ぼし、【社会】や人との関わり方にも大きな影響を及ぼします。しかし、同時に食べたいという欲求のコントロールは【発達】するにつれてうまくなるはずです。』

いかがですか。少し硬めの文章になりましたが、【 】で囲った言葉はすべて心理学の主要な分野を示しています。つまり、マシュマロテストのなかには、心理学のエッセンスが詰まっているのです。

ただ知識だけを積み重ねるのではなく、それを社会に生きる学問にする。神戸学院大学の心理学部で心を学ぶということは、「社会に生きる心理学」を学ぶということです。