心理学研究科開設記念フォーラム「公認心理師の時代がやってきた:新しい「令和」の時代における心理職」が開催されました

心理学研究科
2019.07.13

2019年春、心理学研究科が開設されたことを記念し、7月13日に有瀬キャンパス大学会館マナビーホールで心理学研究科開設記念フォーラムが開催されました。地域で活動されている心理専門職を含む200名近い参加者が集まり、これからの時代の心理専門職である公認心理師について理解を深めました。

 

フォーラムでは、最初に神戸学院大学を代表して佐藤雅美学長から「初代学長である森茂樹博士が医療系の学部・学科を備えたユニークな私立総合大学を作ることを目指していたこともあり、昨年開設した心理学部に続いて今年、心理学研究科がスタート、医療系に接近した国家資格である公認心理師を養成する体制が整ったということは非常に喜ばしい。一期生のみなさんにはパイオニアとして、自分たちが新しい道を拓いていくんだという気概を持って頑張ってもらいたい。」との挨拶がありました。

続いて石﨑淳一心理学研究科長が公認心理師育成について、「現場での問題は複雑化しており、かなり高度な知識と技能を持った人材の養成を期待されている。この期待に応え、社会貢献するために尽力したい。」と挨拶を述べました。

 

基調講演では、東京大学大学院総合文化研究科教授、公認心理師の会理事長である丹野義彦氏にご登壇いただき、本フォーラムのテーマである「公認心理師の時代がやってきた:新しい「令和」の時代における心理職」についてご講演いただきました。今、なぜ心理職の国家資格が必要とされているのかについて、人の幸福度に関連するのは身体疾患よりも精神疾患であり、医師よりも心理職が求められていること、科学的根拠のある心理療法が確立してきたこと、日本ではメンタルヘルスの問題の解決が急務であることなど、資格制定の背景についてわかりやすく解説いただきました。また、公認心理師制度成立過程や第1回公認心理師資格試験の裏話などを交えながら、公認心理師に期待されているオールマイティな能力について話され、学生に対し「学生時代に科学的考え方をしっかり身につけるよう」エールを贈られました。

 

講演後には活発な質疑応答が行われ、最後に秋山学心理学部長が「公認心理師が果たすべき役割は何かが明確になった。イギリスに倣い、国の政策の中で公認心理師の位置づけが明確になるよう努力してまいりたい。」と締めくくり、フォーラムは盛会のうちに幕を閉じました。

参加者からは、「公認心理師の重要性がよくわかった」「国家資格になったことによって誰でも気軽に心理的支援が受けられるようになることを期待したい」などの感想が寄せられました。

 

詳しい内容については後日発行される心理学部紀要「神戸学院大学心理学研究」をご覧ください。

 

 

 

佐藤雅美 学長

 

石﨑淳一 心理学研究科長

 

丹野義彦 氏

 

講演の様子(マナビーホール)

 

秋山学 心理学部長