学部長ごあいさつ

人間発達を全体的にトータルに捉える
~新しい視点からの気づき~

神戸学院大学心理学部は、人文学部人間行動学科行動発達論領域を発展的に改組することによって設置された人文学部人間心理学科から発展してきた学部です。人間心理学科では、その学科の設置目的である心理学の修得と、幅広い教養、専門的知識とを身につけた多くの有為な人材の育成に努めてきました。多くの卒業生は、心理専門職だけでなく、社会のさまざまな分野で現在活躍しています。まさに、当時の人間心理学科のキャッチフレーズであった「社会参加する心理学」を実現していると言ってよいでしょう。関西には心理学部・学科を擁する大学が多い中で、これまで神戸学院大学心理学部は、心理学のさまざまな分野のスタッフを擁し、地域との連携や実習等の「実践的な学び」を重視し、その個性を示し、神戸学院大学の心理学が順調に発展してきたと思います。「神戸学院大学の心理学」と申しましたが、このことばは、大学院に臨床心理士養成を目的とした臨床心理学系と心理学系の2つの系をもつ心理学専攻が設置された時にJRの中吊り広告に掲載されたことばと記憶しています。京都に仕事に向かう新快速の中で初めて目にした時のインパクトは今も忘れられないものです。

さて、心理学は「心の科学」とよく言われます。そして、心理学は、人類学、哲学、脳科学、言語学、人工知能などの学問ともに認知科学に関連する学問であるとBulter とMacManus (2014) は述べています。ここにあげた学問分野以外において心理学の理論が引用されることがあります。その時によく引用され、目にするのが、「精神分析学の創始者」としてよく知られているフロイト (Freud,S.) の理論です。他分野でフロイトがよく引用されているのは、人間発達を全体的に、トータルに捉えようとした一人であるからではないかと思います。

一人の人間の成長、発達をトータルに考える。そのことは、今日、社会のさまざまなところで耳にするようになった「多様性」(diversity) の理解, 個の理解につながるともに、社会参加への新しい視点への気づきにつながるのではないかと考えています。そこに心理学が一つ貢献できる点もあると思います。

神戸学院大学 心理学部

学部長  小山 正

Dean  Tadashi Koyama